ほしとたいようの診察室
第7章 回想、主治医の苦悩
「よーたせんせー……だっこ」
何かしら処置が終わった後は、涙目でだっこを求めてくることが多くなった。
片付けの手を止めると、のんちゃんの伸ばした両手を受け止めて、抱き上げる。
「きらいなんだもん。いやなことするよーたせんせーは、だめなんだもん」
のんちゃんは、そんなことを言いつつ、白衣にしがみつく。
「……でもだっこはするんだね」
小さな体は、いつも以上に熱く、息も絶え絶えだった。
「ごめんね。でも楽になったでしょ?」
「ん。」
肯定とも否定ともとれない返事を聞いて、少し笑ってしまう。
「寝な〜、ここ数日、暴れ疲れて体が熱出しちゃったんだよ」
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