ほしとたいようの診察室
第7章 回想、主治医の苦悩
口腔内、喉の奥の方にチューブを滑り込ませた。
「ンガッ……ン、ウッ……」
ビクッとのんちゃん肩が跳ねて、表情が歪む。
痰が引ける音が大きくなり、のんちゃんの目から涙が溢れる。
「上手上手、ごめんね」
チューブを回転させて、なんとか素早く、見えないところまで痰を引く。
「ゲホッ……ウッ……」
「頑張れ、もう少し」
閉じかけるのんちゃんの口に、指を滑り込ませた。
「ンッ……ンン゛……」
「よしよし、苦しかったね……もう終わるよ」
だいぶ、引けたな。これだけ溜まってたら、相当苦しかっただろうに。
……少し、強引にはなってしまったけど。
なんとか、吸引することができた。
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