ほしとたいようの診察室
第7章 回想、主治医の苦悩
「偉いね、のんちゃん。ありがとう」
のんちゃんの頭を撫でた。
「じゃあ、天井向いて寝ようか」
機械のスイッチを入れ、グローブをはめ、陰圧を確認する。
ブーーーーンっと低い音で、吸引機が音を上げる。
……この音、無駄に怖いよね。
「こわい、やだ」
「大丈夫、すぐ終わらせるよ」
水を吸わせて、吸引の準備をする。
「のんちゃん、お口開けて」
「むむむん(訳:やだもん)」
最後の最後で、のんちゃんは抵抗した。
「……じゃあ、お鼻から入れるけど?」
慌てて、鼻を抑えるのんちゃん。
「おはな、いたいからだめ」
「じゃあちゃんと、あーんってしてて」
恐る恐る、口を開けてくれる。
「ん。すぐ終わらせるからね。苦しいのなくなるよ」
下顎を抑えつつ、なるべく早めにと口腔内を覗き込む。
「綺麗にしていくね」
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