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ほしとたいようの診察室

第6章 回想、はじめまして

……


一足先に病院に戻り、夕方の回診を行う。

のんちゃんの病室に入ると、真っ先に言った。


「ゆーせんせーは?」


今日も絵を描いていた。何を描いているのかはわからないが、クレヨンを熱心に動かしているのだけは見えた。


「優先生、あとでくるよ。今日はのんちゃんに絵本読んだら、お家に帰るって」


「ふーん……」




ここ2週間くらい、夜間になにかあったら駆けつけていたのは優先生だったから、少し寂しいのかもしれない。


「今日は、夜なにかあったら、陽太先生が来るよ」


「せんせー、きてくれるの?」


「うん。来るよ。ご飯前にもしもしさせて」




のんちゃんは、少し緊張したように頷く。


前みたいに拒否はないけれど、慣れない医師には緊張気味になることに気づいた。


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