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ほしとたいようの診察室

第6章 回想、はじめまして

……


すっとんできた優先生が到着した頃。


病室には、すっかり元気をなくしたけれど、容体が安定したのんちゃんがいた。
鼻には酸素を、腕には点滴を、そして手にはミトンをつけたのんちゃんだったが、いつものような活発さはまるでない。
処置はされるがままだった。


仁王立ちのまま、じっくりのんちゃんを見据えた優先生。その目は実に厳しかった。おそらく、もうのんちゃんの悪事の全てを耳にしていることを察した。



しかし、俺には報告の義務がある。




俺が事の顛末を詳細に伝えると、のんちゃんは泣きそうな顔をして優先生を見つめていた。
下唇をギュッと噛んで、今にも目から涙がこぼれ落ちそうだった。






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