
ほしとたいようの診察室
第6章 回想、はじめまして
そう思っていたその夜、またのんちゃんが発熱した。
今度は40度を超える熱だった。
熱にうなされるのんちゃんの横で、点滴や酸素の調整をしていたら、のんちゃんが起きた。
「いや……きらい……だめなの、いたいことしたら……」
熱にうなされながら、必死に俺を追い払おうと、覚えたての言葉で抵抗する。
しかし高い熱でどうにも手足は動かない。
「痛いことしに来たわけじゃない。のんちゃん、頭の冷たいの、新しいのにするか?」
潤んだ瞳は、むすっとしていたが、氷枕を交換したら、たちまちその表情は和らぐ。
そっと頭を撫でると、それも抵抗せずに受け入れてもらえた。
