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ほしとたいようの診察室

第5章 プリンを作ろう


あまりにおいしくて……いまになって、全然気持ち悪くならないのが悔しくて。




なんで陽太先生の前で吐いちゃったんだろうって、考えたら涙が出てきてしまった。




一緒にご飯食べるの、嬉しかったのに。
今日も一緒に食べたかったのに。





優先生は、全部わかっているみたいだった。何も言わずにわたしの背中をさすってくれた。

「ようたせんせいが……せっかく来てくれたのに……昨日汚しちゃったことも、謝ってないのに……あんな言い方……」



呟くと、ぼろぼろと涙がこぼれる。




「泣くな、そんなことで」

「ぜんぜん……そんなことじゃない」

「治療の過程で、具合が悪くなることだってある。副作用ならなおさら、仕方ない。もともと、のんちゃんは小さい頃から薬の影響が出やすいのもあるしな」


優先生は、いつもよりずっと優しい声で言った。



「それに、陽太先生にとってはそんなことなんだよ。」

優先生が、思い出したように笑う。



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