ほしとたいようの診察室
第5章 緊急入院と夏
「なぁ、のんちゃん。ご飯は無理しなくてもいいから、起き上がれないか?」
ベッド横に置いた椅子に腰を掛ける気配がした。
そっと布団を退けて、ゆっくりと顔を出す。
優先生は、そんなわたしの様子をみると少し笑い、スプーンを2つだした。
「ひとつは俺の」
「え」
思わず笑ってしまう。
「え、ってなんだ。俺もこのプリン好きなのは知ってるだろ? 泊まり明けで何も食べてないんだ、許せ」
いただきますと呟き、プリンの蓋を取って食べ始めたので、羨ましくなってじっと見つめる。
「うまい」
おいしそうに食べる優先生を見ていたら、少しだけお腹が空いてきた。
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