
ほしとたいようの診察室
第5章 プリンを作ろう
「……ようたせんせ……ちょっと横になりたい」
やばい、気持ち悪い。
座っているのに、目の前がぐるぐる回って、体を起こしていられなくなる。
「どうした、のんちゃん。……顔色悪いね、こっち向ける?」
陽太先生はすぐさま食べていたパンを置くと、わたしの様子を見る。
「ウッ……」
やばい……
咄嗟に両手を口に当てる。
「ゴボッ……」
……吐いた。
間に合わなくて、病衣を汚した。
「苦しいね、ちょっとこっち向ける? 吐いても大丈夫だから。」
それにかまわず、陽太先生がわたしの体に触れて、わたしの姿勢を楽にしてくれた。
陽太先生の白衣が、わたしの嘔吐物で少し汚れて……それがすごく嫌だった。
