
ほしとたいようの診察室
第5章 プリンを作ろう
「じゃあそしたら、酷くならないうちに喘息の治療も並行しようか」
「1日1回ネブライザーですか?」
「うん。これも上手くいかないと泣いちゃいそうだけど……ちい〇わみたいに」
冗談めかして言うと、大海先生も笑う。
「吹田先生、意外とそういうの知ってるんですね」
「うん、だってあれかわいいじゃん」
「え、吹田先生もかわいいとか思うんだ……」
「俺の事なんだと思ってるの?」
「ふふ、すみません笑」
やっと、大海先生の表情が柔らかくなる。
ってか、研修医の時から大海先生のことは知ってるけれど、表情固い大海先生って初めてみた気がする。
おっとりしてるけど、割と色んなことをそつなくこなすイメージあったから……
外来のときからののんちゃんに気配りできなかったこと、落ち込んでんのかなぁ。
あののんちゃんだから、今回のは仕方ないと思うけど。
っていうか、のんちゃんが小さい頃から変わらなすぎるんだよなぁ。
嫌なことからとことん逃げるからさ。
逃げる力がすごいのよ、あの子は。
