
ほしとたいようの診察室
第5章 プリンを作ろう
「あー……やっぱり。仕方ないよね。大海先生、のんちゃん、だいぶホルモン剤の血中濃度下がっちゃってるけど、どこから始めた?」
「5mgです。治療の後に点滴落として、いちばん弱くて少ないところから始めてみました。副作用どこまで出るかわからないですが……まぁ……」
大海先生の治療方針は決まっているみたいだ。
「やー、でもちょっとずつ増やしていくしかないよね?」
「うんー、やらない選択はないですよ〜」
のんちゃん本人がとてもかわいそうなことになるのは予想できる。
それは大海先生も予想していた。
「でも薬で戻してご飯食べなくなって、体力が落ちたところに喘息も重なってしまったら……。相当厳しいことになりそうなんですよねぇ」
「そうだねぇ」
深いため息が、俺からも大海先生からも出る。
のんちゃん、調子崩すとグズって治療が進まないかもしれないんだよなぁ……
