
エッチな女子高生は年上がお好き
第2章 出会い
演奏が終わって、一旦外にはけさせられたあと、サイン会があるからと並ばされた。
もちろん仲の良いファンたちは集まって並ぶ。私のようなあぶれた人たちが後ろの方で適当に並び始めた。
私は我先に!と並ぶのが苦手で、なんとなく最後の方まで待ってから、列に入ろうとしたところ、ちょうど後ろにサラリーマンがきた。
「あの、隣いいですか?さっきはすみませんでした」
申し訳なさそうに、眉を下げて誤る姿もなんだか可愛らしい。
「ああ、いや全然。なんか、紙多くて焦りますよね」
目を逸らしながら、当たり障りのない返しをする。頑張れよ、自分。と鼓舞しながら。
「本当に。僕みたいなおじさんに優しくないですよ。鈍臭いからもう、だめでね」
へへ〜とお互い笑って、沈黙に入る。後ろの方に並んでしまったから、まだまだ列は終わらない。気まずい。
どうしよう、と話題を探していると、気を効かしたのかサラリーマンの方から話しかけてくれた。
「お若いですね。世代じゃないでしょう?」
「そうなんですよ。ちょっと古い音楽とかが好きで、このバンドもそれで」
「僕ら世代でもそんなに多くないのに、趣味がいいんですね」
たしかに会場に10代は1人もいなさそうで、若くても大学生くらいの男女がちらほらいるだけだった。
「ありがとうございます。友達できないし、浮くし、ちょっと嫌なんですよ」
「僕もです。スーツでくる人とかいないでしょ。みんなラフな格好だから」
「お仕事帰りですか?」
とわかりきったことを聞いてみる。
「はい。今日は早く終わらせたので」
嬉しそうにニコッと笑う時、目が細くなってとってもかわいい。こんなに理想の男性がいるなんて。と胸が躍ってしまう。
