
エッチな女子高生は年上がお好き
第2章 出会い
じっと笑顔に見惚れていたことに気づいて、すぐに目線を逸らした。
「じゃあ、こういうジャンルの他のバンドも聴かれるんですか?」
私の理想のサラリーマンは、そんなことに気付くような素振りもなく、話題を振る。
「解散しちゃいましたけど、〇〇とか、あとは、最近だと××を聴いたりします」
「ええ、センスいい!僕も2つとも好きですよ。大学生の頃とか聴いてたなあ」
当たり障りのない話をしていたら、すぐに列が進んで、いよいよ私がサインをされる番になった。
バンドマンたちが感謝の言葉を述べながら、サラサラとサインをしてくれる。憧れの人が目の前にいるドキドキも、今は少し軽減されてしまっている。
なんとなく、先に帰るのも悪いなと思って、イベントブースを抜けたところでサラリーマンを待っていた。
「あら、待っててくれたんですね。もう、このまま帰りですか?」
これは、誘いか!?上手くいけばご飯くらい一緒に?連絡先は?
「まあ、予定とかはないので」
裏返りそうになる声と、ドキドキの心を顔に出さないようになんとか冷静を装うと、逆に愛想が悪くなって嫌になる。
「じゃあ駅まで行きますか」
