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タクシーを呼ぶなら、電波の届いている旧道、県道48号線まで戻らないとならないが、戻れば黒田明と鉢合わせる可能性が高い。田中理沙は高滝霊園の休憩所から出て、舗装道路の他に。道路がないか探し始めた。あっ！観音様だ、休憩所の隣には、背丈2メートル程の観音様が建っていた。微笑みながら、高滝霊園を見守っているのだろうか。あった、砂利道だわ、観音様の裏側に廻ると、高田市霊園の外側に、3尺幅の砂利道があるのを見つけた。その砂利道はバイパス道路がある杉の森に続いていた。高滝霊園まで徒歩で参拝にくる人がいるのだろうか？旧道を歩いてクルマでくるよりは、この砂利道は近道なのかもしれない。杉の森を歩いて行くと、砂利道は右に右に曲がっていた。砂利道の左側は砂地の土手で、傾斜があってとてもではないが、登れない。登れればおそらくバイパス道路に抜けて出られるだろう。
田中理沙は左側の砂地に掘られた高さ6尺、横幅
3尺程のトンネルを発見した、用水路。トンネル入口には、森の獣や、落ち葉が入り込まないように、ベニヤ板がかけられていた。