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田中理沙は、ベニア板を掛けられていたのを見て、用水路だろうと思っていた。稲作を造るのに、晴から秋にかけて、大量の水を必要とする。川から汲み上げた水を流す為に掘られたトンネルだった。今の田中理沙にとって、用水路であるトンネルに用はない、すぐに目線を戻して砂利道を歩きだした。砂利道を道なりに進むと、杉の森は途切れて旧道、県道48号線が見えて来た。うわーボロボロね、ようやく県道48号線に出ると、老朽化で朽ち果てていた、ドライブインが見えた。やはりバイパス道路が出来たことにより
、車の流れが変わり、閉店を余儀なくされたのだろう。看板にはドライブイン山鳥と書かれていた。ドライブイン山鳥の駐車場は、観光
バスが、10台止められるぐらいの広さがあった。ここからでは、丸見えだから、建物の裏側から、電話をしよう。田中理沙は、県道48号線沿いで、電話をするのは危険だからドライブイン山鳥の、敷地内に入り、建物の裏側に廻った。