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出会い系サイトのレイプマン

第1章 レイプマン登場

田中理沙は、黒田明の存在を恐れていたし、常に油断は出来ないと、臨戦体制に入っていた。高滝神社の鳥居の門から、高滝公民館までの距離は、わずか50メートルしか離れていない。危険な近さであることは確かだ。鳥居の門から、高滝神社の石段までは、参道が50メートルぐらいあって、深夜でも見通しがよくて、隠れる場所がなかった。ライトもつけられないし、もう、走るしかなかった。走りながら後ろを振り返ったが、黒田明の気配は、まだなかった。高滝神社の石段は全部で105段、緑のコケに被われた20センチの石段を田中理沙は、1段1段、登り始めた。ようやく高滝神社の頂上付近まで登と、最後の石段の左側と、右側に2匹のきつねの石像が門番のように立っていた。あっ、きつねだ、こ、恐い、深夜のせいもあるが、きつねの石像からは不気味さが伝わって来た。最上段を踏んで、きつねの石像の間を通り抜けると、切妻屋根の本堂が目に映った。建物は本堂しかなく、さい銭箱を置いてある間口は、3間、奥行も3間ぐらいしかない、小さな建物だった。

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