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田中理沙の耳が反応を示した。あっ？なんか車が走ってくる、微かだが公民館の部屋の中に居ても聞こえる車のエンジン音。あいつだ、あいつに違いない、ゆっくり住宅地図と構図を見ている所では無くなった。慌てて窓ガラス側に移動をした。

田中理沙が高滝公民館にいる頃、黒田明は旧道、県道48線を出てからバイパス道路メジロラインを走行していた。あの女がいない、俺がくそして、ほんの3分ぐらいしか経っていなねえ！あいつはすぐ近くの森の中にでも、隠れたか、どこに隠れたんだと怒りをあらわにした。チッエ、うまく隠れたな、あの女、黒田明はクラウンの車内で、携帯電話の操作を始めた。現在地を出して、どこかに建物がないか？隠れそうな場所がないか、探し始めた。ん、これは、あの十字路か、近くに行って見るか、黒田明は十字路を右に曲がり、林家商店の母屋の前を通過した。徐行しながら、周辺にある建物を見ている。高滝公民館の周辺は小さな商店街で。軒を連ねて古ぼけた商店が建っていた。