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田中理沙は高滝公民館の玄関を開けて、再び黒いハンドバックの中から、ライトを取り出した。ライトの明かりは、まだ充分に持つが、朝までは
電池切れで持たないかもしれなかった。林家商店の店内で見つけたライトは、ライトの太さからして、おそらく単１電池2本入りだろう。貴重な電池の節約を余儀なくされていた。節約するなら何か代替え品を探さなければならなかった。玄関の右側には下駄箱が置かれていて、その中段の棚に
ローソクの箱とライターが2本、置かれているではないか、凄い収穫だった、ライトは使用しないで。ローソクの炎でしのげばいい。高滝部落の人達は年間を通して数回は公民館を利用したいた。
神社や墓の清掃、秋のお祭りなど。その際に電力がないので、ロウソクを使用していたのだろう。
田中理沙は箱からローソク2本とライター1本を持ちだした。田中理沙は玄関で黒い靴を脱いで持ち歩くことにした。黒田明が来たら、すぐに逃げ出すことが出来るからだ。