
副業は魔法少女ッ!
第3章 ガラスの靴の正体は
「佐伯くん、放課後、指導室へ来てくれない?」
女の声が割り入ってきた。担任教師だ。
「何の用ですか」
「飯村くん。先生は佐伯くんを呼んでるの。貴方まだその髪、直していないの?他の二人も!高三にもなって規則も守れないなんて、恥ずかしいわよ?!」
「うるせー!ゆづる、お前からも言ってやれ。先生、ゆづるは暇人の先生と違って、放課後時間はありませーん」
「いいから来なさい!佐伯くん、一週間もまた休んで何をしてたの!内申書どころか、留年したら貴方の自己責任よ!」
ヒステリックな声に耳を塞いで、ゆづるは当てつけに溜め息をついた。
内申書は不要だ。
この担任は、ゆづるが進学を考えていないと、何度伝えれば理解するのか。
案の定、引き止めたがる龍弥達を振り切って、ゆづるが指導室へ行くと、担任教師は学年上位の成績を保つ教え子に、持ち前の無責任を発揮し出した。
