
副業は魔法少女ッ!
第1章 アルバイトで魔法少女になれるご時世
なずながページもめくったことのないような雑誌のモデルにいそうな彼女らと、甘ロリィタが定番のなずな。共通性などほぼないような三人が顔を合わせたのは、大学に入ったばかりの二年前、強引な上級生に読書同好会の勧誘に引っぱり込まれた時のことだ。他に新入生はいなかった。しかも流されるようにして三人、入部することになり、それからまもなくしたある日、深夜のファミレスで夜通し恋愛話で盛り上がって以来、学部が同じの友人達より仲良くしている。
いくつかのサークルを見て回りながら、なずな達は売り子の参加者達とも話した。
「お姉さんの着ているお洋服、最近出たやつですよね。リンゴ柄、良いなぁ。気になって店の近くまで行ったんですけど、行列に圧倒されてしまって……実物見て満足しちゃったら整理券配ってくれた店員さんにも悪いから、Uターンして帰りました」
「分かります。実物見るまで物欲が続くとは限りませんもんね。でも、今日のはどうしても欲しかったんです。Angelic Prettyのお洋服は私、長い間追いかけていて、リンゴ柄が出たのは初めてで」
「なるほど。イースターや苺なら来年もっと可愛いのがっ……って諦めついても、そもそも柄物は復刻も滅多にありませんもんね。お姉さん本当によくお似合いで、見惚れます。髪、地毛ですか」
「はい」
「本当可愛い!ピンク、そんなに綺麗に入るんですね。濃淡ツートーンなんて、色落ちしそうで……お姉さんだから似合う髪型ですね!」
