
副業は魔法少女ッ!
第2章 魔法少女の力
「オレがいない時、いつもこんな感じなの?うろうろ遊び歩いているの?」
「今日は、偶然……私も、授業の人達とちょっと……」
「お前」
「──……」
「ろくな嘘もつけないくせに、嘘つくなよ」
やはり日当たりの悪い花に重なる恋人の、この世の果てでも見たあとのように怯えた目が、なずなを見下ろしていた。
すぐるの薄い唇が、なずなに罰を言い下す。
なずなはリビングに場所を移して、着ていたものを脱ぎ落としていく。キャミソール、ブラジャーまで畳んで洋服に積み重ねて、ショーツ一枚になったところで、なずなを監視していたすぐるが脚を組み直した。
「男の匂いは、しないか。変な痕もないし。まぁ、それはそうだよね。お前みたいに何の取り柄もない女、可愛がってあげられるのはオレくらいだ」
なずなは頷く。
するとすぐるが、早くショーツまで脱いでしまえと促した。
すぐるとは裸体を知らない仲ではない。同じ屋根の下に暮らしてから、それこそなずなは彼自身の裸体も頭に思い描けるほど見てきたし、臀部に限っては、避妊具の装着もしないで肉棒を咥え込むこともある。
それでも、リビングという日常的な空間で、なずなだけが全裸になるのは抵抗がある。
そんな背徳的な状況に、酔ったのか。ショーツは、身に覚えのない小さなシミが落ちていた。
「正座しろ」
「うん……」
「講義が終わってから今まで、何していたか、三十分刻みでいいから話して。分かりやすく話すんだよ」
