
おはな畑
第2章 キスマーク
「なんか、違う」
「は?」
「いや、思ってたキスマークと違うなって……キスマークって、もっとこう、男の人のシャツに付くような、唇の形をした、口紅の跡というか……」
「はぁ? いつの時代のドラマの見過ぎだ……キスマークってこれのこと言うんだぞ。肌を吸って、内出血させたのがキスマーク」
「えっ……そ、そうなんですか……?」
「よく知ってるって言ったな」
「わたしの知ってるキスマークと違ったんです……」
「ちなみに、正式名称は吸引性皮下出血」
「え! 医、医学名があるんですか……!?」
「ある」
「し、知りませんでした……」
「だろうな」
「うぅ……」
と、五条先生にキスマークを教わったところで、
「あぁっ!!」
「なんだっ!」
わたしはとんでもないことに気がついてしまった。
