
扉を開けて AN
第2章 初めての恋
まーくんの前の席の椅子を引いて
よっこいしょ、と後ろ向きに座り
背もたれに腕を乗せて 至近距離から
まーくんを見つめた
いつの間にか 男っぽく凛々しくなってた眉毛も
すっと通った鼻筋も
綺麗な二重を描く瞼からも目が離せない
いつまでもこうして見つめていられる
いつまでもこうして見つめていたい
ふと気づけば、さっきの風で飛んで来たのか
まーくんの髪に桜の花びらがついてる
手を伸ばし、そっとつまんだ後
ちょっと髪の乱れを直してやると
まーくんが 目を閉じたまま
何かを探すように手をもぞもぞと動かした
