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会社での出来事

第3章 3

その欲望が頭を支配する。

ぴろりんとスマホが音を鳴らす。私は引き出しの中からこっそりと取り出してトーク画面を開いた。

先輩からだ。

「昨日の優子ちゃんを思い出しちゃってこんなになっちゃった♥️」

その言葉と共に送られてきたのは、赤黒い先輩のペニス画像。ぞくり、とした感覚が背筋を襲う。トイレで撮影したのか、男子トイレの小便器が後ろに映り込んでいた。

ごくり、と思わず生唾を飲み込む。昨日、このペニスで処女を貫かれ、快感を叩き込まれたのだ。

画像をタップし全体画像にすると、更に大きく見えるそれ。指でツツツとなぞる。

その場にいないはずなのに彼のペニスがぴくりと震えた気がした。

「こんなの、送られてきたらまたしたくなりますよ?♥️♥️」

思わずそう送ってしまう。既読がすぐにつく。数分もしないうちに返信が返ってきた。

「え♥️ チンポみてえっちな妄想しちゃった??♥️」

ぞくり、会社内でこんな会話をしてる背徳感が快感になっていた。私はすぐに返事をしたい気持ちを抑える。駆け引きというわけではないが仕事は仕事なのだ。

(逢いたい、逢いたい、逢いたい)

その気持ちが溢れ出して止まらなくなりそうで。油断をすると彼のトーク画面でぶちまけてしまいそうになる。

(もっと。したいよぉ……)

内股をなぞった指を頬に移す。彼の手で全て触れて欲しい。頭も顔も胸も背中も、お腹も蜜部も。

願えば止まらなくなる。激しく心が彼を求めていた。

私は席から立ち上がり、少しだけ彼の顔を見に行くことにした。いけないこと、と解りながらも遠くから見られるだけでよかった。

営業課に資料を届けに行く名目で私は彼の元へ向かうことにした。

彼は営業課にいて、若い女の子にPCの作業を教えていた。その子は、美人と言うよりも可愛い系だった。彼の目は真剣そのもので……。

ふと、昔のことを思い出す。

私もまだ、右も左も分からない頃はよくああやって教えて貰っていた。私はあまり覚えのいい後輩ではなく、いつも周りに迷惑をかけていた。先輩のお陰で少しはまともな社員になれたのだ、

彼は昔、教員を目指そうとしていたらしく、教え方がとても上手い。私みたいな人間にも優しく丁寧に教えてくれる。

ぼーっと彼に見とれていると同じく先輩の松岡さんに肩を叩かれた。

「おつかれー!なに?今日どうしたん???」

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