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会社での出来事

第2章 2

先輩は、少しだけ私に肩を寄せる。首筋から男性物のオーデコロンがふわり、と香った。

「俺が力になれること、ある? 」

キスできそうなくらいの距離でそう尋ねられた。妄想の中ではこの唇と舌に嬲られて、舐られた。何度も何度も泣きながら、絶頂に達せさせられて、はしたなくオネダリさせられる。

「え、えっと。その……」

彼の匂いとその話す度に隠れ見える舌がどうしても扇情的に見えてしまい、私の脳は沸騰するくらいにクラクラと溶けているようだった。

「せ、先輩は……私のこと、どう思いますか? 」

思わず口についた言葉。彼は私を見てすっと目を細めた。自分でも分かるくらい顔が火照っている。傍目から見れば、尚更だろう。

彼は、私の髪のに触れる。優しいその指使いは妄想と似ていて。答えを待つ私に彼は、さらりと答えた。

「可愛い後輩、かな。ほっとけないし目を離せない、色んな意味でね」

ずるい言い方をする。私にその言葉を言いやすくするためか? 私は期待していいのだろうか。その指に、その唇に、その舌に触れてもらうことを期待してしまっていいのか。

「せ、先輩、私、最近、仕事集中できないんです」

小声、迷惑をかけないように。

「え、えっちな妄想ばかりして、しかも、その相手が、その、先輩で。だから、だから、そのっ」

私の妄想を実現してください。

口走ったその言葉はトリガーとなり、撫でていたその手に後頭部を支えられ、そのまま唇を塞がれた。


初めは触れるような口付けだったのにどんどん激しくなり、ぬぷりと口内に舌を差し込まれる。

ディープキスは不慣れでどうしたらいいか分からない私を翻弄するように、彼の舌で口内を犯される。

ツツツ、と歯列をなぞられぐちゅりと舌先を撫でられる。口内が、こんなに感じることなんてなかったから私は彼の背中に手を伸ばした。

求め合うように貪り合う。舌を吸われながら、乳房を揉みしだかれる。妄想の中では優しく揉まれていたのに、彼は乱暴に支配的に揉みしだいてきた。

その感覚には痛みよりも甘い快楽が押し寄せてきて、唇を塞がれてなければ喘ぎ声を発していた。

彼は唇を離して、喘ぎ声を塞ぐように私の口を手で抑える。それから、首筋の匂いを嗅ぐように息を吸い込んでから、そのまま、舌を走らせる。

そのまま、椅子の上に押し倒され、服の中に手を入れられた。

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