
会社での出来事
第2章 2
そんなことを考えながら私は会社のロピーに向かった。会社の先輩と、しかも憧れの人と食事が出来ることに当然のごとく心が踊っていた。
「優子ちゃん! 」
先輩が私の名前を呼び、駆け寄ってきた。
「お疲れ様、行こうか」
自然と彼が私の手を取り歩き出す。柔らかいその手に妄想と同じ柔らかさを感じこの手で触れられてみたい欲求が余計に増す。
そっと。握り返して彼にニコッと笑みを返すと彼は嬉しそうに笑った。
「お腹すいてるよねー、何食べたい? あ、お酒とか飲むのかな?? 」
会社を出たあと、彼はいつもの口調で話し続ける。私はお酒は弱いけど好きなこと、食べたいものはまだ、決まってないことなど取り留めないことを話した。
彼の行きつけの居酒屋があることを教えられそこに向かうことになった。
よく通っている居酒屋らしく、店員とも顔馴染みらしい。にこやかに言葉を交わしながら、席へと足を運ぶ。
黒いカーテンにしきられたそこは、定員が2人のようで。少し狭めだが、秘密の相談をするにはうってつけのようだ。
「優子ちゃんは、奥に座りな」
彼はそう言って私を奥の方へ誘導するとそのまま、隣へと腰かける。私は先程抱きしめられたことを思い出しそうになるくらいの密着度に少し心臓が高鳴った。
お通しが運ばれ、それぞれ飲み物を頼む。飲み物が来るまで、彼も私も無言の間が流れた。
彼の横顔を見つめていると視線に気づいたのかきょとんした顔で私を見返す。
「お待たせしましたー! 」
店員がカーテンを開け、飲み物を持ってきた。私と彼は軽くグラスを合わせて口に運ぶ。
グレープの香りが鼻をつく。甘い味が舌をくすぐった。
「えっと、」
飲み物を口にしたことで一息ついたのか。唇を湿らして彼は私に声をかける。
「それで、何かあった? 」
その言葉に私は顔を伏せる。えっちな妄想をしすぎて、先輩に抱いてもらいたい、なんて言葉を言えるわけが無い。
私はもう一口、お酒を飲むと少しだけ先輩に嘘をつくことにした。
「あ、あの、既婚者の方がきになってしまい、せ、先輩のことではないんですけど。その人と仲良くする妄想をしすぎて……」
言葉をかなり濁してみるものの、先輩の表情が少し赤らむ。ああ、気づかれてしまっているのか……?
「な、仲良くする妄想って具体的には? 」
「優子ちゃん! 」
先輩が私の名前を呼び、駆け寄ってきた。
「お疲れ様、行こうか」
自然と彼が私の手を取り歩き出す。柔らかいその手に妄想と同じ柔らかさを感じこの手で触れられてみたい欲求が余計に増す。
そっと。握り返して彼にニコッと笑みを返すと彼は嬉しそうに笑った。
「お腹すいてるよねー、何食べたい? あ、お酒とか飲むのかな?? 」
会社を出たあと、彼はいつもの口調で話し続ける。私はお酒は弱いけど好きなこと、食べたいものはまだ、決まってないことなど取り留めないことを話した。
彼の行きつけの居酒屋があることを教えられそこに向かうことになった。
よく通っている居酒屋らしく、店員とも顔馴染みらしい。にこやかに言葉を交わしながら、席へと足を運ぶ。
黒いカーテンにしきられたそこは、定員が2人のようで。少し狭めだが、秘密の相談をするにはうってつけのようだ。
「優子ちゃんは、奥に座りな」
彼はそう言って私を奥の方へ誘導するとそのまま、隣へと腰かける。私は先程抱きしめられたことを思い出しそうになるくらいの密着度に少し心臓が高鳴った。
お通しが運ばれ、それぞれ飲み物を頼む。飲み物が来るまで、彼も私も無言の間が流れた。
彼の横顔を見つめていると視線に気づいたのかきょとんした顔で私を見返す。
「お待たせしましたー! 」
店員がカーテンを開け、飲み物を持ってきた。私と彼は軽くグラスを合わせて口に運ぶ。
グレープの香りが鼻をつく。甘い味が舌をくすぐった。
「えっと、」
飲み物を口にしたことで一息ついたのか。唇を湿らして彼は私に声をかける。
「それで、何かあった? 」
その言葉に私は顔を伏せる。えっちな妄想をしすぎて、先輩に抱いてもらいたい、なんて言葉を言えるわけが無い。
私はもう一口、お酒を飲むと少しだけ先輩に嘘をつくことにした。
「あ、あの、既婚者の方がきになってしまい、せ、先輩のことではないんですけど。その人と仲良くする妄想をしすぎて……」
言葉をかなり濁してみるものの、先輩の表情が少し赤らむ。ああ、気づかれてしまっているのか……?
「な、仲良くする妄想って具体的には? 」
