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麻衣香が眠りにつき
朝を迎えようとしていた頃
彼とのお別れ、道久の出発の時が迫っていた


道久「…」

鬼崎「準備が出来たようだな」

道久「はいっ…」

鬼崎「…」


出発の日だというのに
見送りに来たのは鬼崎一人だけ

その鬼崎も別れを惜しむというより疎む
早く出て行ってくれといった
そんな感じだった


道久「大変お世話になりました…」

鬼崎「…」

道久「役目を果たせず、途中で降りる事
本当に申し訳なく…」

鬼崎「お前には最初から無理だったからな
彼女を妊娠させる事は」

道久「…」

鬼崎「子種がないお前にはな…」

道久「！！」

鬼崎「前に北川から聞いていてな、でも
お前の口から聞くまではと黙っていたが
結局、最後まで言わなかったな」

道久「それは…」

運転手「お待たせしました」

道久「！！」

鬼崎「タイミング良くタクシーが来たみ
たいだ、さっ早く行きなさい」

道久「…はいっ…」

鬼崎「…」