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一途とは 続編

第1章 りょーやと






あー…
蝉の音が暑さを倍増させてて暑いなぁ…
あの、体を捻り上げて精一杯の声で鳴いている感じ…
求愛の声なんかに聞こえないよー…
そんな一生懸命に求愛してたら私引くよ〜


なんて思いながら、目を開けたままぼーっとベッドに寝ていた。

そろそろ夏期講習も夏休みも終わりだ…
なんだか、濃い夏休みだったなぁ…

高校二年生の夏って一番青春って言うけど、そうかもしれないなぁ


様々なことが頭をよぎりながら、歯を磨き、朝ごはんをすっぽかして家を出た

母の、朝ごはん食べないの!?ちょっと!と引き留める声を振り払って外に出た。


両親とは私の成績が悪く、また、様々な根本的な家庭の問題を抱えているため不仲である。


…そう、根本的な問題。
また話す機会を、後に作るね。


テスト期間が終わる度に行われる家族会議で責め立てられ続ける…
その責め方が色々辛かったの。
もう、忘れてしまったけれどね。

しんどくてしんどくてたまらなかった。


会社の営業マンで、会議で成績が悪いから責められ続けるとはまた違う辛さがある。

だって、親は一生変えられないもの。
会社は変えられるけどね。



早く塾に逃げよ。
後から気づいたのだけれど

塾は
心を守れる私の唯一の
居場所だった。



30分かけて電車に揺られ、塾に着き、いつも通りの挨拶をした。

あ、山口tがいるな

ちゃんと今日も居てくれたんだね。




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