
え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?
第7章 ガシ国
だが、安心はしてられない。次にいつ現れて、今度こそ攻撃をしてくるかもしれない。
先を急ごうと、ゆっくりとパドルを動かして進む。
オイドは時折、汗を拭いながら、水面を確かめて進む。
「何度か小屋と国を行き来しているが、遭遇したのは初めてだ」
「あんた、薪を詰めた袋にしがみ付いて流れに身を任せてるだけでしょ。よく怖くないわね」
「ハジャモは動いているものしか狙いません。ジッとしていて浮かんでるだけなら大丈夫なんですが、恐ろしくなって逃げるように動くと食われてしまいます。過去に仲間の頭だけが浮かんで流れているのを見たことがあります」
「そいつは頭食べないの?」
「固いから食べないんじゃないかと言われてます」
「めざし食って頭だけ残すみたいなもんね」
「めざしとは?」
「なんでもないわ」
めざしとはなんぞやという謎を抱きつつ、イカダは進む。
どのくらい時間がすぎたのか、やがて、前方に小さな島が見えてきた。
空を見ると鉛色になりつつある。これ以上暗くなるとなにも見えなくなるので、危険だ。
「見えてきたぞ! あれが我が国ガシだ!」
オイドは早くパドルを動かす。
先を急ごうと、ゆっくりとパドルを動かして進む。
オイドは時折、汗を拭いながら、水面を確かめて進む。
「何度か小屋と国を行き来しているが、遭遇したのは初めてだ」
「あんた、薪を詰めた袋にしがみ付いて流れに身を任せてるだけでしょ。よく怖くないわね」
「ハジャモは動いているものしか狙いません。ジッとしていて浮かんでるだけなら大丈夫なんですが、恐ろしくなって逃げるように動くと食われてしまいます。過去に仲間の頭だけが浮かんで流れているのを見たことがあります」
「そいつは頭食べないの?」
「固いから食べないんじゃないかと言われてます」
「めざし食って頭だけ残すみたいなもんね」
「めざしとは?」
「なんでもないわ」
めざしとはなんぞやという謎を抱きつつ、イカダは進む。
どのくらい時間がすぎたのか、やがて、前方に小さな島が見えてきた。
空を見ると鉛色になりつつある。これ以上暗くなるとなにも見えなくなるので、危険だ。
「見えてきたぞ! あれが我が国ガシだ!」
オイドは早くパドルを動かす。
