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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第7章 ガシ国

だが、あの廃墟となった小屋で、オイドは扉に使っていた。

「ちょっと、じゃあ、あなたは大丈夫なの? あなたその接着剤使ってたでしょ」

「俺は勇者となったが、本職は警察官だ」

「あんた、警察のくせに人を殺害しようとするんじゃないわよ!」

「相手が勇者となったら許されるんだ。まあ、あんたには悪いことをしたと思っているから、いま協力してるんじゃないか」

そういって、オイドはなぜか穴を掘る。

「あなたなにやってるの? 芋でも掘ってるの?」

「小屋にあった遺体を今から埋めるのだ」

「なんでここでするのよ! さっきのところでやりなさいよ。ねぇ、チョットなんか言ってやって」と光邦は後ろを向いた。

すると、チョットは、

「え、光邦、私に話してるのですか?」と光邦の斜め前からそう返した。

「あんたも、なに言ってるのよ。ここにいるのは、あなた……え?」

そんな存在には、生気がなかった。

するとオイドが、「あの小屋から連れてきちまったようだな。まっとれ、今から供養してやる」

光邦は立ったまま気を失った。



数分後、光邦が気を取り戻した。

実は幽霊が怖い光邦には、トリセンナシでヒップが死んだ時より、よほど衝撃的なことだったのだろう。

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