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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第7章 ガシ国

チョットは手を入れ、中にある物を引っ張り出した。

「なにを見付けたの?」と光邦が後ろか、覗う。

「こんなのがありましたよ」

チョットが出したのは、缶詰めのような金属の筒状のものだった。光邦は、それを手にとってみる。

「なにこれ、缶詰めじゃない。食べられるかもしれないわよ」

前日からたいしたものは食べていない。ここでの缶詰めは、天からの授かり物だと、光邦は、心踊らせた。

するとオイドが、

「あんたが言う食い物の銀箱は、あの奥の棚につんである。手に持ってるそれは爆弾だ」

「爆弾!?」

光邦は、物騒だとぶん投げようとしたが、オイドが静かに奪い取り、静かに床に置いた。

「扱い方気をつけろ、投げたら爆発するぞ」

「あ、そうだったわ、ごめんなさい、つい……」

「これは強い衝撃を受けると、あっという間に爆発してしまうんだ。木っ端微塵になる」

チョットは心の中で、「この人なら大丈夫」と思った。

オイドは、食料の缶詰めのような物を集める。銀色で高さ10センチほどの円柱の容器が両手で抱えられるくらい見付かった。

「……うん、間違いなく食料の銀箱だ。まだ充分に食べられる」

「缶詰めのことを銀箱というのね」

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