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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第7章 ガシ国

出発地点から、わずか10メートル。

三人は陸に上がり、船とは言えない浮き袋を回収。

「順調に進んでいたのに、どういうつもりだ」とオイドが詰め寄る。

光邦は腰に手をあて、「もっといい方法があるから、私が教えてあげる」と河原に落ちている石を手にした。

「一日時間がいりそうね」

「光邦、いったいなにをするつもりなんですか?」とチョットが尋ねると、「まず力仕事よ。オイドさん、この近くに誰も使ってない小屋とかはあるかしら?」

オイドは腕組みをしながら「うむ、この先の森の中に長い間放置されている小屋があったと思うが……」

「まず、そこにいきましょう。なにかあるかもしれない」と三人は森の中に入っていった。

木々の間を通り、オイドの言う小屋を探した。

途中、トラのような猛獣に出会したが、妙な自信を持った光邦がデコピンだけで追い払った。

30分ほど歩いたところで、オイドが指をさした。

「お、あれだ。あの小屋だ」

数メートルの木々の隙間から、朽ち果てた小屋が姿を見せた。

光邦は走るように、木の間を抜けていく。

ナナミーの森にあったら、ウラユがいた小屋や、オイドが住んでいた小屋とは違い、かなり小さく、まるで物置のようだった。

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