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仔犬のすてっぷ

第2章 出会い



 バンッ!!


コイツはいきなりキッチンの横の壁をぶっ叩き


「やっぱり、ヤっちまったかあっ!!」


てな具合に喚き散らした。
突然の事に、僕はびくうぅっ!と反射的に飛び上がる。


「悪い!ほんんんっとに、悪い!
責任は………今すぐってのは無理だが、いずれ、キッチリ、何とかすっからっ!!」

そう言いながら、コイツは頭を下げた。
…壁に手をついたまま、だけども。


「・・・え?あ、え??あ、いや、ちょっと……」

 コッチは、コイツが何を謝りだしたのか……
何をもって、何を勘違いしているのか、サッパリ解らない。


「決して、悪気があって、ヤった訳じゃ無くて、だな、多分、その時は、アンタが俺には、その、魅力的に見えていたからであって……」


・・・・・・・・・え〜っと。
・・・・・・あ、ああ!
☆ぽんっ☆(←手を叩いた音)


 この人、そういう勘違いしてるんだ。
…まあ、寝起きだし、昨日は倒れた時に頭を打ってたみたいだし(小さいけどタンコブ出来てたし)そんな事もあるか……。

…その勘違いに、納得は、出来てないが。
このまんま放っておいたら、話しが変な方向へ行きかねないし(苦笑)



「…落ち着いてくんない?
よーく見てみ?君の前に居る奴のこと」


下げてた頭を上げて、彼はコチラを見つめている。



「僕は、オトコだよ?見て分かんないかなあ?」


 腰に手を当て、少しだけ怒っているアピールをしながら勘違いしている、と教えたつもりだったんだが。





「・・・・・・うそつけ」


コイツは、明らかにコチラを疑っている眼差しで返してきた。



「こんなに ど・ストライクな奴が、野郎な訳ゃあ無いだろうが!」



な、なにイィ〜?!

僕の背景に、斜め上へ激しく向かう効果線に、イナズマの効果がプラスされる。

女の子勘違いは少し…いや、たまに…いや、ちょっとはあったけど。



ここまでの勘違い野郎は初めてだあ!



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