
仔犬のすてっぷ
第29章 反撃、そして・・・
・・・・・・。
・・・どうだっ?!驚いたか?
僕はこうみえても男の子なんだ・・・・・ぜ??
・・・・・。
……あれ?あれれ??
「なに〜〜いぃっ?!」とか言って驚いてくれるんじゃないの?
なに?その薄すぎる反応??
ただ、固まるだけって・・・
ーー つ…つつっ……
「あ゛・・・」
彼は鼻の下を慌てて押さえた。
「「なっ……なにいいいぃ〜〜っ?!」」
この反応に、驚いたのは僕達の方だった!!
僕の下半身を見ていた周りの反応はともかく
(幸お姉ちゃんはいや〜ん♡って悶えて、カリームは真っ赤っ赤な顔してガン見。目が覚めたアキラは鼻血を吹き出しながら昏倒し、森川店長はコホン★と咳払い。気を失ったままの霧夜はともかく、サラは明後日の方向を見て笑っていたので見ていなかった。あとから来た二人は何やら思慮深そうに見たりメモしたりしてる)
トーマスは、鼻血を出しているッ!!
「おっさあんっ!何を興奮してやがるんでいっ!ソレは俺の専売特許なんだぞっ!!」
同じく鼻血を垂れ流し、蒼空は握る拳をぷるぷる震わせながら力説した。
……って、をぃ。
君は、んな事してる場合ぢゃないでしょうがっ!!(汗)
「優希の秘めモノの閲覧料金、その身体で払ってもらうぜーっ!」
ダダダダダダっ!とパンチやキックを猛連打しながら、蒼空はさらにスピードと打撃の重さのギアを上げていく。
……やってる事は期待通りで良いんだけど、殴りに行く前の蒼空の台詞……もう少しマシな言い方は無かったの?
傍から聞いてると新たな扉を君が開こうとしているようにも取れちゃうよ?それ(汗)
……って、僕もツッコミ入れてる場合じゃ、無い。集中しろ!優希っ!
ガードしながら徐々に後退するトーマスの身体の動きをしっかり見る・・・
一歩…一歩……反撃の為に脚に力を溜めていく。
相手を粉砕する蹴りの準備をしているのが。
判る……
トーマスが、反撃しようとしている様子が……
まるで、自分がそうしようとしているかのように………
感じる。
そう…そこで一旦バックステップする……
…ここ…だあぁっ!!!
トーマスの着地点目掛け、僕は全体重が乗った右脚の震脚を……腰を落とし、馬上の構えから弓引きの構えに変えて踏み込む・・・!
