
🕯️悪夢の神様🕯️
第17章 真実の悪意
かじっていた…まぁ――――…
華道の家元、松原家の一応…長男だったのだ…一通りは教えられ…勉強させられた。
華道の雰囲気に着いて行けず――――稽古を逃げていた訳だが…それなりに資格は取らされていた…。
すでに、花から離れて約10年はたとうとしているが…それなりに見えるだろう。
俺は、月子さんから生け花の道具を借りて…
持ってきた花と花台、背景、視導線を考えながら…茎の長さを決めていく…
「あら、手際がいいわね――――…」
「生けるの久しぶりっすから、期待しないでくださいっす」
俺は、水盆の中で茎を手際よく切っていき――――…
中心を決め――――勢いよく生けてく。
――――チョキン、チョキン…スッ、スッ…
全体のバランス…客席からも見るなら…と、俺は勢いよくインスピレーションで生けてくい。
と――――…
入り口の花台には…ダイナミックに広がりながらも生き生きと咲き誇る作品が出来上がった。
「あらあらあらあらあら…皇輝君にこんな才能があったなんて!――――その体格でしょ?まさか…格闘家が花を生けるなんて…思わなかったからビックリしたわ!しかも、岳君より上手いとか…人は見かけによらないものね」
月子さんは俺の久しぶりに生けた花を見て「すごいわ」と、喜んでくれた。
勢いよく生けたが…
俺の作品は――――…大胆で時々クドイと言われ…よく注意されていたのを思い出す。
