
🕯️悪夢の神様🕯️
第17章 真実の悪意
「俺の弟の方が――――もっと繊細で上手に生けられますよ」
そして、ふと――――…
俺とは違って真面目に稽古をしていた弟の生け花を思い出した。
松原家代々の技法を使い…繊細で美しい花を生ける、若き華道家を。
「あら、皇輝君には弟さんがいたのね…歳は?」
「多分――――…19だったかな?そろそろ20?すんません、実家から勘当状態なんで…弟がどうなってるか…微妙っす!」
勘当と言う言葉に――――…月子さんは少し悲しげな表情をした。
「小さい頃から…親とは反りが会わなくて…大学卒業したらこっちから縁を切ってやろうと思っていたんですけど…、退学したとたんに…あっちから縁を切ってきました!笑えるっす」
「――――そう…だったの…」
月子さんは俺の生けた花を見て――――
「凄く…いいわ…、私…皇輝君の花…好きよ」
と、笑ってくれた。
