
🕯️悪夢の神様🕯️
第17章 真実の悪意
彼女は部屋を一周し――――…『こんなもんか…』と、呟き…鞄から何かを取り出した。
『――――皇輝さん…あれ――――…骨壺ですよね?』
慌てたように俺に身を寄せた未來ちゃんの言葉に…俺は彼女の手にしている物を確認した。
『…骨壺…だ――――…』
確かに、彼女の手には――――…昨晩放置していた骨壺が見えた。
と、次の瞬間…!
彼女は骨壺を抱え…部屋中に骨をばらまいた!
『!えっ!?』
『ちょっ――――!』
突然の彼女の行動にビックリした俺達は唖然とした!
しかし、彼女は平然と…
廃墟のホテルの――――…朽ちた部屋に…灰に近い骨を撒き散らす!
よく見ると…ベッドの回りには…いつ使われたのかわからないほど黒く汚れたコンドームの残骸が散らばったり、野犬や野良猫…何か分からない獣の糞までも散乱していた。
衛生的にも…環境的にも最悪な廃墟のラブホテル…
肝試しで訪れたバカなカップルが遊んでから…すでに何十年も経過しているようにも見えた。
そして、半壊した今では――――…解体の日を待つだけの…立ち入り禁止区域…。
そんな……
場所に、彼女は持っていた骨をまいたのだ…。
それも――――…無表情で。
