
🕯️悪夢の神様🕯️
第17章 真実の悪意
――――ヤバい…
自分がゾクゾクしているのを未來ちゃんに知られれば…再び冷たい視線が返ってくる…
これ以上嫌われたくない…
が、その冷めた視線も……ぶっちゃけ大好きである!
『――――と、とりあえず…着いていこう…』
『――――はい…』
俺は背中に未來ちゃんの冷たい視線を感じつつ…彼女の後に着いていく。
砂の記憶――――…
不思議だが砂は彼女に寄り添い――――…何かを一緒に見届けるかのように記録していた。
今にも崩れそうな廃墟のホテルに入った彼女は、比較的原型のある部屋を探し――――…
一階の奥の部屋で止まった。
そこには――――…大きい丸いベッドが真ん中に置かれている…ザ…昭和のラブホテルの香りがプンプンした。
『レトロ――――…ですね』
『レトロって言うが…時代を感じるな』
壁紙は花柄でその当時はお洒落だったのだろうが…
この令和の時代、こんな壁紙を選ぶ建築家はいない…いたとしたら、企画物的なイベントの類いか、変に片寄った日本のイメージを持った外国人しかいないだろう。
