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🕯️悪夢の神様🕯️

第17章 真実の悪意


「遅い遅い!ほら~日がくれちゃうよ~!」


せっかちの美希さんは俺たちの姿を見つけては手を大きくふり叫ぶ。



「店の前を花でドドド――――ン!と、飾るぞぉ~!」


すでに派手な入り口を…花で更に派手に!華やかにすると言うのだから……今日の主役はかなりの派手好きなのだろう。


俺の実家も花で溢れ返っていたが――――…ここまでドギツイ…花で派手になったことはない…。


「南国系の花で入り口…ゴチャゴチャ…だけど…いいんすか?」


「まっ、派手に誕生日を祝うって――――この世界での成功者の証だから…なるべくリクエストにはこたえたいんだってさ…」


岳さんは派手な花たちを見て頬笑む。


「それに――――…来年…誕生日を祝ってもらえるか…分からない世界だしね?」



確かに――――…人気が落ちれば…こんなワガママを許してくれるどころか、祝ってももらえない可能性もある。


人気商売の…怖いところである。


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