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となりのにぃに

第19章 中学1年、高校3年

翌日、空は晴れ渡っていた。夏ももうすぐなのかな。




「おはよう」


「おはよう。コーヒー飲む?」


「うん」






敬人がいなくなった朝の食卓は私1人。



ママはお弁当を作ってくれてるからキッチンに、パパはもう食事は済ませて出かける支度をしている。






「はい、コーヒー。ミルクとかは自分で取ってね」


「ありがとう」






なんとなくブラックコーヒーを1口飲んでみた。





「……苦い」




苦いけど、ブラックコーヒーからは敬人の匂いがして、そのまま飲んだ。





「行ってきます」







学校は楽しい。小学校の頃とは友達関係も少し変わった。



小学校の頃はいわゆる陽キャグループ? 的なところにいたけど、今は大人しい子達と穏やかに過ごしている。



もちろん、千尋たちとも仲良しだよ。






「みりか!」





名前を呼ばれて振り返ると、新しい友達 みゆき だった。



「おはよう、みゆき」


「おはよう。昨日の数学の宿題難しくなかった? 私すごく時間かかっちゃった」


「たしかに難しかったね。でも応用問題だったから、基礎をしっかり思い出せば解けたよ」


「そっかー。みりか頭いいもんね。休み時間、空いてたら教えてもらえないかな?」


「いいよー」






こんな会話ができるのも敬人のおかげ。




前に教えてもらったんだ。



「数学でわからなくなったら基礎の公式をもう一度思い出すこと! どんな応用問題でも、公式が理解できてれば解けるから頑張れ!」



敬人のおかげで今のところ勉強でつまずくことはなかった。

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