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となりのにぃに

第19章 中学1年、高校3年

敬人のパパとママも挨拶に家にきた。




「バカ息子が2年もお世話になって本当にありがとう」


「いえいえ、みりかの勉強をみてくれて成績も上がって助かったわ。 またいつでもいらしてね」






敬人のママは北海道のお土産と、お世話になったお礼と言って何やら高そうなお菓子をくれた。




「敬人もほら、挨拶して!」


「おじさん、おばさん、本当にお世話になりました」




深々と頭を下げる敬人。


そして、顔を上げて私を見た。




「みりか、ありがとうな。楽しかったよ」




変わらない敬人の優しい笑顔。




「遊びに行くからね…」


「いつでも待ってるよ」








車に乗り込んで、窓を全開にして身を乗り出して手を振ってくれる。




2年間、一緒に生活できて楽しかった。 いつの間にか敬人がすぐ傍にいるのが当たり前になってたけど、明日からいつでも会えるわけじゃなくなる。




隣町なんてすぐの距離だけど、同じ家にずっといたからすごく遠く感じてしまう。






ゆっくり発進する車に大きく手を振った。




「またねーーー!!」











「行っちゃったわね…」



ママが寂しそうにため息をつきながら言った。


「うん…」




会えるのは月に1度くらいだろう。





5月の生ぬるい風に吹かれながら、敬人のいなくなった家に入った。

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