テキストサイズ

となりのにぃに

第17章 バレンタインは誰のもの?

結局私の家まで来ちゃったの。



「ちょっと! もう家じゃん! 中村くんの帰り道は!?」


「あー… 別に元々家まで送るつもりだったし」


「途中までって言ったじゃん! 遠回りになるのに悪いよ」


「薄暗いのに長谷川1人で帰らせるわけにいかねーし。俺だって男だし」



またよそ見をして言った中村くんは少し大人に見えた。




「ごめんね、送ってくれて本当にありがとう」


「あぁ」





ワンワンワン




いきなりムースくんが吠えだした。




「おい、人が来たからって吠えんな!」



「大丈夫だよ。元気な子だね。 って、みりか?」


「敬人!?」




薄暗くてシルエットしかわからなかった男性が、敬人だということにようやく気づいた。



「今帰ってきたの?」


「うん、学校終わりすぐバイトで。 おばさんには連絡したけど聞いてない?」


「あー… 私学校終わったらずっと外にいたから…」


「長谷川、ちょっと」




いきなり中村くんが口を挟んだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ