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けっこうマジな顔でムースくんに怒ってる中村くんはおかしかった。



「ワンコだよ？ エロいもなにもないでしょ(笑)」


「いや、エロ犬だよ。女の膝に甘えて」


「はいはい、わかったよ(笑)」





「家帰んねーの？ もう暗くなるぞ」


「うん、もう帰るよ。 じゃあね、ムースくん」




ムースくんに手を振って、中村くんにも挨拶しようとしたら




「途中まで送る。危ないし。お前アホだし」



どこかよそ見をしながら中村くんに言われた。



「…アホはいらなくない？」


「そうか、じゃあお前かしこいし」


「腹立つね、ホントに！」




やっとこっちを見た中村くんと笑いあって、送ってもらうことにした。



「お前、公園で何してたの？」


「うーん、考え事？」


「そっか」




話は弾まないけど、居心地は悪くはないの。




「私こっち曲がるけど、まだ一緒？」


「あぁ」





ずっと道が分かれるたび聞いてるけど、あぁ しか言わない。