
優しく咲く春 〜先生とわたし〜
第18章 揺れる日々
4
「咲。今日、学校無理なら来れなくてもいいから、病院だけはちゃんと行くんだよ」
春ちゃんは、てきぱきと準備をする。
起きてきてゆっくりと箸を動かすわたしに言いながら、自分の分のお弁当を包んだ。
カウンターに、わたしと優の分のお弁当も置く。
「優の言うこと、ちゃんと聞くこと。わかった? できるだけ早く帰ってくるけど、お昼には間に合わないから、お弁当、1口でもいいから食べてね」
やむを得ず、予約を入れた日は平日。
わたしはまだぼんやりと、パジャマのまま。準備する春ちゃんの後を目で追った。
わたしよりも1時間近く、早く起きている春ちゃんの頭は、朝の支度をしながら高速回転しているのがわかる。
高速回転しながら、春ちゃんがわたしのことを心配しているのがひしひし伝わってくる。
「春ちゃん……」
心細くなって呼び止めると、にっこりと笑って、わたしの頭を撫でた。
「大丈夫。少しだけ頑張って、すぐ終わるよ」
春ちゃんが家を出たあと、優に見守られながら朝食を摂った。
緊張と不安で食欲があんまりない。
「咲。手止まってる」
朝はぼーっとしやすくて、嫌な治療が控えていることを考えると尚更動きが鈍くなる。
ようやくご飯を食べ終えたところを見計らって、直ぐに優が食器を下げる。
「ちょっとだけ急いで」
「うんー……」
自室で一応、制服に着替える。
治療のあとは、必ず眠くなる。今日は学校に行けないかもしれない。
「咲、診察の時間ずらすか?」
出発前、優が、ずっと浮かない顔のわたしにしゃがみこんで目を合わせた。首元から頬に振れて、下瞼を診る。
優も少し、心配そうな表情をしていた。
「……大丈夫」
首を横に振ると、どうにかぎりぎり家を出る時間に間に合わせた。
「咲。今日、学校無理なら来れなくてもいいから、病院だけはちゃんと行くんだよ」
春ちゃんは、てきぱきと準備をする。
起きてきてゆっくりと箸を動かすわたしに言いながら、自分の分のお弁当を包んだ。
カウンターに、わたしと優の分のお弁当も置く。
「優の言うこと、ちゃんと聞くこと。わかった? できるだけ早く帰ってくるけど、お昼には間に合わないから、お弁当、1口でもいいから食べてね」
やむを得ず、予約を入れた日は平日。
わたしはまだぼんやりと、パジャマのまま。準備する春ちゃんの後を目で追った。
わたしよりも1時間近く、早く起きている春ちゃんの頭は、朝の支度をしながら高速回転しているのがわかる。
高速回転しながら、春ちゃんがわたしのことを心配しているのがひしひし伝わってくる。
「春ちゃん……」
心細くなって呼び止めると、にっこりと笑って、わたしの頭を撫でた。
「大丈夫。少しだけ頑張って、すぐ終わるよ」
春ちゃんが家を出たあと、優に見守られながら朝食を摂った。
緊張と不安で食欲があんまりない。
「咲。手止まってる」
朝はぼーっとしやすくて、嫌な治療が控えていることを考えると尚更動きが鈍くなる。
ようやくご飯を食べ終えたところを見計らって、直ぐに優が食器を下げる。
「ちょっとだけ急いで」
「うんー……」
自室で一応、制服に着替える。
治療のあとは、必ず眠くなる。今日は学校に行けないかもしれない。
「咲、診察の時間ずらすか?」
出発前、優が、ずっと浮かない顔のわたしにしゃがみこんで目を合わせた。首元から頬に振れて、下瞼を診る。
優も少し、心配そうな表情をしていた。
「……大丈夫」
首を横に振ると、どうにかぎりぎり家を出る時間に間に合わせた。
