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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第18章 揺れる日々

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生理が来る数日前、優から話があった。


「治療、自分で出来なかったら、今回は早乙女先生のところ行くか?」


1人で出来ないとなると、家で優と春ちゃんが治療をするけれど、そうでなければ早乙女先生のところへ行くことになるらしい。

……それも気が進まないんだけれど……。
同性の先生の方が、良いかもしれない。

意を決して、頷いた。
自分でできれば……それで問題はないのだ。

「うん、じゃあ予約入れておくな」

優の大きい手がわたしの頭を撫でる。
優しい口調で、諭すように優が言った。

「大丈夫だ。ただ、治療はちゃんとして欲しい。わかるな? 」

「……うん」

頷くと小さな声が漏れた。
少しだけ、優が困ったように笑う。


「咲が苦しいと、俺も春斗も苦しいんだ」


そう言うと、もう一度、わたしの髪を優しく撫でた。

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