
ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第76章 オープンキャンパス
「なぁ、ひな。さっきからなんでそんな嘘つくんだ…。」
また優しい声に戻った五条先生。
でも、わたしが次の言葉を見つけられないでいると、
「ノワール医大に入ること、医者になることは、なんの夢も目標もなかったわたしに初めてできた目標だって、そう言ったんじゃなかったのか?」
えっ?
「俺や先生たち、お父さんやお母さん、ダディーやマミー、おじいちゃんひいおじいちゃんみたいになれたらいいなって。そう言ったんだろ…?」
そ、それって…
「なんで…、わたし…そ、そんなこと五条先生に言ってなぃ…」
「俺にはな。でも、夏樹にはそう話しただろ。」
……っ!!
なんで…?
進路希望調査があった時に夏樹くんと話したこと…、どうして五条先生が知ってるの?
夏樹くん、そんなことも五条先生に話してたの…?
「一応言っとくが、夏樹を責めるなよ?夏樹はひながそんな風に言ってたのを、俺が知ったら喜ぶと思って話してくれたんだ。もちろん、そのこと聞いてめちゃくちゃうれしかった。ひながそんな風に思ってくれてるのが、俺は本当にうれしかった。」
五条先生、うれしかったってまた2回…
