
ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第76章 オープンキャンパス
「…ひな、どうしてノワール医大に行くのやめるんだ?医者になるの、どうして諦めようなんて思ったんだ…?」
今朝の怒り狂った五条先生はどこへやら。
その背中に添えられてる五条先生の手が、時折ぽんぽんとしてくれるその手が、本当にずるいよ…
……ポタッ…
顎からテーブルに落ちた雫、
ポタ…ポt……
次の一滴もすぐテーブルに落ちたけど、その次の一滴はテーブルに落ちる音がしなかった。
代わりに聞こえたのは、五条先生の心臓の音。
「ひな…」
背中にあった優しい手が頭にも増えた。
わたしをそっと抱きしめた五条先生は、今度は頭を優しくぽんぽん…と。
