
ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第68章 お父さんとお母さん
『いただきます。』
4人で最後にテーブルを囲んだのは、もう10年以上前。
親父とお袋はそんなに変わってないが、あんなに小さかったひなは大きくなったなと。
両親がいることでひなの成長をより一層感じる。
そして、初めて食べる寿司を前にちょっと不思議そうにする表情は、あの頃から変わってないなと少し可笑しい。
「ひな、何食べていいかわかんないのか?」
いつもは2人で向かい合うダイニングテーブルに、今日は俺とひな、親父とお袋が横並びに座って向かい合ってる。
どれがどんな魚かもわかってなさそうなひなに、横から助け舟を出した。
「はい…」
「そしたら、まずはこれ食べてごらん。」
と、寿司といえばなマグロをひなの皿に置いた。
「…パクッ。……!! 美味しい!五条先生、お寿司って美味しいんですね!!」
「気に入ったか?ひなが好きなの、食べたいと思ったのどんどん食べてみたらいいぞ。」
「はい!」
とキラキラした目でエビやらサーモンやら食べ始めた。
五母「ふふっ。本当にうれしいわ。こうして、また4人揃ってお食事できる日が来るなんて。」
五父「そうだな。ひなちゃん、たくさん食べるんだよ。」
「はい!」
もう寿司に夢中なひなは、緊張も忘れて笑顔で答える。
それを見た両親もうれしそうに笑ってる。
