
ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第67章 鉄剤注射
祥子「まぁ…、ひなちゃん腕のあざひどいわね。」
袖を捲って腕を見せると、祥子さんがポツリ。
藤堂「ひなちゃんはあざになりやすいんだけどね。それにしても、ちょっとひどいか。」
と藤堂先生も言うと、
祥子「ちょっとじゃないですよ。それにしても"結構"ひどいです。これ何回も失敗してるし、穿刺も下手だからですよ。痛いしあざになるし、もっと上手くやってあげないと…。ねぇ?」
「えっ?ぁ、は、はぃ…」
わ、わたしに"ねぇ?"って言われても…
それに思いっきり下手って、祥子さん結構厳しいこと言うんだな…
藤堂「ははっ。もっと早く頼めばよかった?」
祥子「そうですね。わたしならここまでのあざは作ってないかな?笑」
緊張するわたしの横で、相変わらず和やかに話す2人にわたしは苦笑い。
祥子「よし、そしたらひなちゃん消毒するね。親指中で手握っててね。」
と言われ、握りしめた腕にアルコールのスースー感。
祥子「少しだけチクっとするよ〜…」
うぅっ…怖い……
ビクッ…
…………あ、あれ?
そんなに痛くない。本当にチクッてしただけだった。
祥子「ひなちゃん、もう手のひら開いて力抜いて大丈夫よ〜。」
と、祥子さんはテキパキと駆血帯を外してくれた。
