
ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第126章 先生の◯◯
「ちょっと、五条先生っ。なに言ってるんですか…っ!」
「何って、なんか変なこと言ったか?」
「わたしのこと、奥さんって…っ」
再びベンチに腰を下ろし、何事もなかったようにコーヒーを飲む五条先生に、肩をペシッと叩きはしないが叩くような勢いで。
「別に間違いじゃないだろ。あんな小さい子にわかりやすく言わんとならんし。」
「保護者もいたじゃないですかっ!」
「それがどうした?」
「どうしたって...、もうっ!」
恥ずかしさと嬉しさを隠すように、わたしは少々あきれたフリをして、ココアをわざとらしく飲んでみせる。
